2018/10/28 – 第89回勝兵塾月例会 山梨県立大学 国際政策学部 国際コミュニケーション学科 教授 国際学博士 斎藤直樹. shoheijuku. Loading… Unsubscribe from shoheijuku? Cancel Unsubscribe. Working… SubscribeSubscribedUnsubscribe

 山梨県立大学国際政策学部国際コミュニケーション学科教授・国際学博士の斎藤直樹様は、「10年以上北朝鮮の核・ミサイル開発と我が国の安全保障への影響について研究してきた。2018年6月12日に初の米朝首脳会談が行われ、共同宣言では完全な非核化に合意したとされているが、遅々として進んでいない。2013年3月、金正恩指導部は『経済建設と核武力建設路線』の並進路線を採択した。経済建設路線は失敗したが核武力建設路線は驚くべき進展を見せた。2016年1月以降、核実験と弾道ミサイル発射実験を繰り返し、米国本土に対する核攻撃能力の獲得を目指した。金正恩はICBMを完成させ、トランプに強硬な要求を突き付けようとしたのである。2017年7月にICBMの発射実験を、9月に初の水爆実験を行い、11月の火星15型ICBMの発射実験では射程距離約13、000㎞となり、金正恩は『国家核戦力の完成』を宣言した。しかしトランプは意に介さなかったが、マクマスター補佐官は『時間があまり残っていない』として、軍事的選択肢の発動を示唆し、一触即発の状態であった。『共同宣言』によって金正恩は非核化を示唆し、緊張緩和に向かったが、トランプが数週間以内の核リストの申告を求めたのに対して金正恩はこれを拒否し、核・ミサイル開発を継続している。9月の『平壌共同宣言』では『米国が相応の措置を取れば、寧辺核施設の永久的な廃棄のような追加措置を引き続き講じていく用意がある』と表明したが、4カ月前に合意していた内容から大きな後退である。そこで10月7日にポンペオ国務長官が金正恩と会談し、2つの点が明らかになった。つまり『相応の措置』とは、朝鮮戦争終結への同意と経済制裁の解除である。経済制裁解除に向けては中露や韓国とアメリカとの間で綱引きが行われている。トランプの立ち位置は明らかではないが、第2回米朝首脳会談に前のめりになっている。北朝鮮の核・ミサイルはいずれ完成するため、既存のミサイル防衛システムを改善強化してく必要がある。」と、北朝鮮の核・ミサイル問題について語られました。

第89回 勝兵塾月例会レポート より